大和王寺キリスト集会=聖書を伝える聖書的集会(教会|奈良・王寺)王寺駅より徒歩5分=イメージ画像

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連載〈生きる〉

激動の時代を生きる−千恵子抄−

  孫娘のこと・私の病気・主にある平安 Part 4

 救われてからは、足取りも心も軽く、集会に集うのがとても楽しみでした。今後、どのような事があったとしても、祈りをもって歩むならその道が開かれると信じることができました。


    帝王切開で2人の孫が誕生

大和王寺キリスト集会=山崎千恵子  娘は結婚し子供が与えられました。双子でした。30週というかなりの早産でした。ある大学病院の産科に入院しましたが妊娠中毒症がひどく、担当医から娘婿と私に、「このままではお母さんも胎内の子も危険です」と言われました。現状では母体の命を最優先にしたいので胎内にいる2人が助かるかどうか保証は出来ませんとのことでした。この状況を集会の兄弟姉妹に報告し祈ってもらいました。

 そして主の守りのうちに無事に帝王切開で2人の孫が誕生しました。平成元年10月11日のことでした。長女が1510g、次女が1350g、カルテには極小未熟児と記されたそうです。2人とも肺の機能が十分できていなくて約2ヶ月半、保育器の中で育てられました。12月31日、大晦日の夕方に雪の降る中を2人は我が家にやってきました。2人を迎えるために家中てんやわんやの騒ぎでしたが、それは楽しいひと時でした。

    なぜ今、このみことばなのだろう
  • 大和王寺キリスト集会=山崎千恵子

 この少し前に出産に先立って子供たちに手がかかるだろうということで私は娘夫婦と同居していました。この頃、ヨハネの福音書の『あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。』(14章1節)のみことばが与えられていました。その時はなぜ今、このみことばなのだろうと思っていたのですがわからないままでした。

 それから3〜4ヶ月が慌ただしく経過した頃、長女のちょっとした動作の異変に気付き、知人に紹介された病院で脳波を撮ってもらいました。判読された先生から、間違いなく脳に障害があるので、出産された病院で早急に詳しい検査をして下さいと言われびっくりしました。検査の結果は先天性脳性麻痺との診断でした。そのショックはあまりにも大きかったのですが、先に与えられていたみことばが、このことのためであったのかと知りました。私たちの盾となり慰めとなり、また勇気を与えて下さる神様に感謝と賛美を捧げました。


    障害を抱えた孫娘が私たちへの慰めと感謝

 その孫も今はもう20歳となりました。現在、上肢機能・移動機能とも障害1級で歩けず、四肢も機能せず生活は全介助が必要です。また知能は3歳程度との判定です。言い表せない苦労がありましたが娘夫婦と共に毎日楽しく過ごしています。この障害を抱えた孫娘が私たち家族に不思議な慰めとなってくれています。またこの子を通じてお知り合いになった多くの方々が聖書のメッセージを聞いて下さいました。今はただ感謝の思いで一杯です。


    私の病気の証し

 最後に私の病気の証しをして終わりたいと思います。

 2006年12月、あるクリスチャンのお宅で楽しいひと時を過ごした帰り道でした。最寄り駅のとても長い昇りエスカレータに乗り、ふと後ろを振り向くと誰もいませんでした。その時に限り横向きに乗り両手で手すりにつかまりました。それからどれくらいの時間が経過したのかはわかりませんが、気がつくと両側から駅員さんに抱えられて休憩室に入るところでした。一瞬意味がわからず、「ここはどこですか」と尋ねると、「今、ご自宅に電話します。救急車が来ますからちょっとここで休んで下さい。」と言って椅子に座らせて下さいました。私は、「電話?なぜ?電話番号は?」等など、ボーッとした意識の中で何がどうなったのかを考えていました。「血圧170、今少し落ち着いて154…その間、意識がないのですわ…」等、とぎれとぎれに駅員さんの電話の声が聞こえます。


    倒れてもまっさかさまに倒されはしない

 そのうち救急車が到着しました。あの長いエスカレータの階段をどうして降りたのだろう?全く覚えていません。『その人は倒れてもまっさかさまに倒されはしない。主がその手を支えておられるからだ。』詩篇37篇24節のみことばが心に浮かびました。もしいつも通りエスカレータに前向きに乗っていたら、後ろ向きに後頭部から倒れて真っ逆さまに落ちていただろうと思うとぞっとします。意識がなくなり倒れたのは何故だかわかりません。今まで血圧で倒れたこともなかったので。駅員さんの話では、「近くに乗っていた人が知らせてくれました」と言うのです。倒れる直前に振り返った時、あの長いエスカレータの後には誰もいないというのが最後の記憶でした。では、誰なのでしょう。こんなことをいうと笑われるかもしれませんが「御使いじゃなかったか?」と思っています。


    ここに癌があります

 ともかく救急車で病院に運ばれレントゲンを撮って診断を受けました。打撲した頭部に異常はなし。ただ変なことを娘婿に聞いたそうです。「お母さんは腹部の治療を何か受けておられますか」と。娘婿は、「今、何も治療していません」と答え、「どうしてですか?」と尋ねたそうです。医者は、「ここに白いものが写っているので」と言ってレントゲンのその箇所を指差したそうです。「癌ですか」と聞くと、「わからない」と答えて、「とにかく打撲の頭部には異常はないので今日は帰ってもらって結構です。ただ腹部は近くの病院で調べて下さい」とのことでした。

大和王寺キリスト集会=山崎千恵子  2日後、近くの市立病院に行き多くの検査を受け、最後は腹部エコーでした。医者は、「ここに癌があります。かなり大きくもう通過障害を起しているので切らないと死ぬよ。」と言うのです。あまりの突然の言葉に私は黙っていました。医者は何度も繰り返して言いますので、私も言いました。「先生、紙切るんやないんです。」結局、手術をする前提で予約表をもらって帰りました。



    わたしの平安を与えます

 大腸がんは通過障害を起こすほど大きかったのですが痛みがなかったので私にはわからなかったのです。エスカレータで倒れて病院で診察を受けなければ癌の進行に気付きませんでした。執刀医によると手術しなければ1年もたなかったとのことです。今頃は天国にいたことでしょう。大きな病気やけがもしたことがないので入院は初めてでした。少し不安でしたが、イエス様は『わたしはわたしの平安を与えます。』(ヨハネ14:27)と約束して下さいました。主御自身の平安が私にも与えられ、不安も解消され手術にのぞむことができました。手術は無事成功しました。

 どんな時にも弱い私をみことばによって主は力づけて下さいました。今は別の濾胞性リンパ種という癌にかかって体力はずいぶん衰えましたが、弱い私を79年間支えて守り続けて下さった主に感謝は尽きません。これからもただ主の語られたみことばに従い歩んで参りたいと思います。

(おわり)

連載「義母の召天に思うこと」−日下敏彦− 
No.1 天国に召された義母(はは)


連載「生きる」 激動の時代を生きる −千恵子抄− 
No.1 出生・大東亜戦争・原爆投下と終戦
No.2 少女時代・荒野のような時代
No.3 再臨のこと・聖書の奇蹟・そして救い
No.4 孫娘のこと・私の病気・主にある平安


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